コラム:【データで読む‼️】いま世界で「売れているワイン」はこれだ 🍷

全体は−8%。なのに、伸びているワインがある
アメリカのワイン市場が、静かに縮んでいます。
米国の卸売業者団体WSWA(ワイン・アンド・スピリッツ・ホールセーラーズ・オブ・アメリカ)の最新データ「SipSource(シップソース)」によると、ワインの12か月間の卸売数量は8.0%減。コロナ後のワインブーム反動と、健康志向・節約志向が重なった「選り好みの時代」が来ています。
でも面白いのはここから。中身を見ると、はっきり差が出ているんです。
データの読み方:これは「店に並ぶ量」の話
まず前提を整理(ここ、ちょっと専門的なので頑張ってついてきてください)。
SipSourceの数字は、卸売業者の倉庫からバー・レストラン・酒店に「出ていった量(ディープリーション)」を集計したもの。最終消費者がレジで買った量そのものではありません。
また「売上(金額)」は本数×値段×商品ミックスの合計なので、
売上が伸びても本数は減っている場合があります。この2点を踏まえて読みます。
伸びているのは「白のブレンド」「マルベック」「ソーヴィニヨン・ブラン」
9ドル(約1,420円)以上のワインで、12か月間の売上が伸びたカテゴリーがこちら。
白のブレンド:+8.1%
マルベック(アルゼンチンの赤):+6.4%
ソーヴィニヨン・ブラン:+4.5%
逆に大きく落としているのは——
メルロー:−12.4%
ジンファンデル:−8.7%
赤のブレンド:−8.2%
つまり、「重くて渋い赤」から「フレッシュで軽い白」へ、アメリカの若い世代のグラスが動いているんです。
WSWAのアナリスト、ダニー・ブレイガー氏は「消費者はこれまでよりずっと選り好みするようになった」と分析しています。
スパークリングは引き続きシャンパンとプロセッコが牽引。
炭酸で割る楽しさは、世代を超えた共通言語になっています。
若者に効いてるのは「缶」。RTD市場が4倍に増殖中
ここからが、若者読者にこそ知ってほしい話。
いまアメリカで一番勢いがあるのは、実はRTD(Ready to Drink/開けてそのまま飲める缶・瓶カクテル)です。
RTD市場の規模:140億ドル(約2兆2,000億円) —— もはやビール・ワイン・蒸留酒に次ぐ「第4のカテゴリー」
蒸留酒ベースのRTD:52週間で40億ドル(約6,300億円)、売上は前年比+23.1% —— 2021年の10億ドル(約1,580億円)から4倍
業界トップ30のスピリッツブランドのうち11本がRTD。缶サングリアや缶ハイボールが、もう「社長」を名乗る規模です
さらに750ml未満の小容量パッケージは売上+8.1%(750ml以上は−6.1%)。
「大きなボトルを開けず、気軽にちょい飲み」というスタイルそのものが市場を動かしています。
コンビニで缶ワインサングリアを買って公園で飲む——あの感覚が世界標準になりつつあります。
価格帯で見ると「安物」こそ苦戦——でも、それは買い時のサイン
価格帯の動きも興味深いです。
16ドル(約2,530円)以上は比較的堅調(20〜29.99ドル=約3,200〜4,700円の帯も微増)
13ドル(約2,050円)未満の安価なワインが、カテゴリー最大の足かせに
SipSourceのアナリストいわく、この値上がり帯の底堅さはディスカウント(値引き)の影響も大きいと分析しています。
つまり今のタイミングは、「少し上の価格帯」がセール価格で買える、実は買い時のシーズンでもあるんです。
円換算まとめ(1ドル≈158円・2026年10月末ベース)
米国の価格帯 | 日本円の目安 | 動き |
|---|---|---|
9ドル以上 | 約1,420円以上 | 白ブレンド+8.1%など明暗が激しい |
13ドル未満 | 約2,050円未満 | 最も苦戦中 |
16ドル以上 | 約2,530円以上 | 値引きで実質お得に、堅調 |
20〜29.99ドル | 約3,200〜4,700円 | 微増(+0.9%) |
※米国は卸売段階の価格なので、日本の店頭小売価格とは一致しません。
「だいたいこのくらいのゾーン」という感覚値としてください。
年末に1本選ぶなら「いま動いている側」へ
このデータから、年末の買い方の結論はシンプルです。
軽めの白(ソーヴィニヨン・ブランや白のブレンド)
マルベック(濃くて果実味のある赤が飲みたいとき)
少し上の価格帯(16ドル=約2,530円以上のゾーン。値引きで美味しい)
逆に「赤の安いブレンド」は、いま一番動いていない側です。
【私のオススメ】シャトー・ラモット・ヴァンサン レゼルヴ・ブラン
この「白ブレンド旋風」に、ドンピシャで乗っている1本を紹介します。
シャトー・ラモット・ヴァンサン レゼルヴ ブラン(Château Lamothe-Vincent Réserve Blanc)。
フランス・ボルドーのアントル・ドゥ・メール地区にある家族経営のシャトーで、1920年の創業以来、一貫してボルドー白を造り続けている生産者です。
その哲学は「The quest of Expression(表現の探求)」。各区画ごとに収穫・醸造を分け、絶え間ない醸造実験と試飲で「その年ベストのブレンド」を探り続けています。
そしてどのキュヴェも共通するのは「驚くほどのコストパフォーマンス」という姿勢。
プライス以上の味わいをくれるシャトーです。
ワインのスペック
品種:ソーヴィニヨン・ブラン87%+セミヨン13%の白ブレンド
色・香り:緑がかった淡いレモン色。パイナップル、アプリコット、エキゾチックフルーツ、グレープフルーツ、柑橘、ミネラルが溢れる
味わい:酸味と丸みのバランスがよく、口当たりはなめらかで構造感あり。長いフィニッシュ
評価:2024年ヴィンテージはワイン評論家ジェームス・サックリング氏が「熟したレモン、グースベリー、洋梨の明るく表現豊かな白」と高評価
日本での価格と取扱
輸入元希望小売価格:2,500円(税抜)/2,750円(税込)(2025年ヴィンテージ・750ml)
米国小売では10.97ドル前後(約1,730円)。日本分は関税・輸送コストの上乗せ分、と考えてください
ちょうど「9ドル以上・16ドル未満(約1,420〜2,530円)」——つまり白ブレンド+8.1%という伸びているゾーンのど真ん中。
ボルドーの白でこの味わいをこの価格で飲めるのは、データ的にも理にかなっています
もうひとつの推しポイント
パリ農業コンクール2025 金賞(2024年ヴィンテージが受賞)
——"お手頃ながら高品質"が国際的に評価されていますHVE認証(環境重視のサステナブル農法)
——持続可能な畑づくりも実践飲み頃温度は10℃。冷蔵庫から出して少し置くくらいが最高です
(補足:同シャトーの赤「レゼルヴ・ルージュ」は国際的な品評会Decanter World Wine Awards 2022で95点・金賞を獲得している実力派シャトーです)
まとめ:グラフが語る「いま飲むべき1本」
米ワイン卸売数量は12か月で−8.0%。でも全部が冷めているわけではない
伸びているのは白ブレンド(+8.1%)・マルベック(+6.4%)・ソーヴィニヨン・ブラン(+4.5%)、落ちているのはメルロー(−12.4%)など重めの赤
若い世代の主戦場はRTD(缶カクテル)と小容量パッケージ。市場は約2.2兆円まで拡大
16ドル(約2,530円)以上は値引きで実質お得、13ドル未満(約2,050円)が最大の苦戦帯
初手のおすすめは白ブレンド。私の推しはシャトー・ラモット・ヴァンサン レゼルヴ・ブラン(約1,730円)
「ワインは難しい」はもう古い。いまのデータは、若い世代の感覚のほうが市場を勝たせていると言っています。今年の忘年会、乾杯の1本は白のブレンドで決まりです 🥂
著者:ブラインド川西
引用・出典一覧
【本文の参考】
WSWA(米国ワイン・スピリッツ卸売業者協会)プレスリリース「WSWA SipSource® Holiday Preview: Wine and Spirits Sales Steadying」(2026年10月27日): https://www.wswa.org/news/wswa-sipsourcer-holiday-preview-wine-and-spirits-sales-steadying
Vinetur「U.S. wine wholesalers sold 8% less wine by volume through September」(2026年10月29日): https://www.vinetur.com/en/amp/20261029110035/us-wine-wholesalers-sold-8-less-wine-by-volume-through-september.html
【シャトー・ラモット・ヴァンサンの情報】
Allied Vintners(輸出元)「Château Lamothe Vincent」ブランドページ: https://www.alliedvintners.com/brand/products/94/Château-Lamothe-Vincent
Vinovium(デリカブル・ブレンド比): delectable.com「Réserve White Bordeaux Blend — Château Lamothe Vincent」(ソーヴィニヨン・ブラン87%+セミヨン13%)
James Suckling「Château Lamothe-Vincent Bordeaux Blanc Reserve 2024」テイスティングノート: https://www.jamessuckling.com/tasting-notes/296886/
米国小売価格: Flatbush Discount Liquors(10.97ドル)
【日本の価格・ワイナリー補足情報】
モトックス(輸入元)商品カタログ「シャトー・ラモット・ヴァンサン レゼルヴ白」: https://www.mottox.co.jp/catalog/wine/641331 (希望小売価格2,500円・税抜、パリ農業コンクール2025金賞、HVE認証、醸造詳細)
【為替レート】
1ドル≈158円:イオン銀行・メットライフ等の2026年10月末の仲値(157.8〜158.3円)ベース
【画像の出典】
サムネイル: 本コラム用にAI生成(GPT Image 2)
画像_白「15 Best Sauvignon Blancs for Warm Weather」: Food & Wine(https://www.foodandwine.com/best-sauvignon-blanc-7506788)
画像_赤「Alamos Malbec Argentina Red Wine」: Smart & Final(https://www.smartandfinal.com/product/alamos-malbec-argentina-red-wine-750ml--id-00085000018194)
画像_ラモット「Château Lamothe Vincent Réserve Blanc」: Allied Vintners(https://www.alliedvintners.com/brand/products/94/Château-Lamothe-Vincent)
追加ワイン画像(レゼルヴ白・日本仕様ラベル): モトックス商品カタログ写真(https://www.mottox.co.jp/catalog/wine/641331)


